米大統領就任年はドル高確率が高い

DMMFXでドル円のトレードをするにあたって、知っておいてもらいたい情報を書く。

今年はトランプ氏が米大統領に就任するが、米大統領就任年はドル高となる確率が比較的高い、というものだ。

大統領選以降のドル円

1973 年以降で米大統領就任年は 11 回あるが、ドル実効為替(対主要通貨)は 7 回上昇している。上昇率が大きい順に、97 年+10.7%、81 年+10.1%、2005 年+8.2%、01 年+7.3%、13 年+4.1%、89 年+3.5%、93 年+1.2%である。

81 年はレーガン大統領が掲げた「強い米国、強いドル」、05 年は 04 年 10 月に成立した米本国投資法(HIA)によるリパトリエーション(資金の本国送還)の増加が、ドル高に作用した。97 年はアジア通貨危機、01 年は米 IT バブル崩壊や同時多発テロを背景としたリスクオフ(安全志向)が、ドル高に作用した。

必ずしも米国経済が強くなくても、質への逃避で消去法的にドルが買われるケースがある。

一方、ドル実効為替は 4 回下落しており、下落率が大きい順に、85 年▲12.8%、09 年▲6.9%、77 年▲5.7%、73 年▲5.5%である。85 年は先進 5 カ国(G5)がドル高是正で合意したプラザ合意、09 年はリーマンショック後の世界景気底打ち、77 年は米国貿易収支悪化、73 年は変動相場制への移行が、ドル安に作用した。

米大統領就任年の 11 回中、米国景気がピークアウトしたのが 81 年と 01 年でともにドル高、ボトムアウトしたのが 09 年でドル安である。

他の 8 回はいずれも米景気回復期間中でドル高 5 回とドル安 3 回に分かれる。米国や世界の景気がピークアウトするときはドル高、ボトムアウトするときはドル安になりやすい傾向がある。

米保護主義圧力が強まるとドル円下落

ドル円についても、米大統領就任年はドル高・円安となる確率が比較的高い。ドル円は 7 回上昇しており、上昇率が大きい順に、13 年+21.5%、89 年+15.0%、05 年+14.8%、01 年+14.6%、97 年+12.7%、81 年+8.2%、09 年+2.5%だ。

13 年は黒田日銀総裁就任後の異次元量的緩和、01 年は日銀初の量的緩和が円安に作用した。

また、89 年は日本の消費税導入と対外投資(海外への資本流出)拡大、97 年は日本の金融システム不安、05 年と 09 年は市場のリスクオン志向が円安に作用した。

量的緩和が円安を招くケースが目立つほか、05 年以降は円を資本調達通貨としてリスクオンが円安を招くケースが出てきた。09 年はリスクオンの円安がドル安を上回り、ドル実効為替が下落する一方でドル円が上昇した。

 

米保護主義圧力が強まるとドル円下落

一方、ドル円は 4 回下落し、下落率が大きい順に、85 年▲20.4%、77 年▲18.1%、93 年▲10.5%、73 年▲7.1%。85 年は米国の対外赤字拡大を招いたドル高の是正
で国際協調したこと、77 年と 93 年は日本貿易黒字・米国貿易赤字の拡大で米国から円高圧力が働いたことがドル安・円高の原因となった。米企業の輸出競争力が低下して米政府・議会の保護主義圧力が高まることがドル安・円高を招いてきた。

主要自動車メーカーのメキシコでの生産をけん制するトランプ氏の発言は、保護
主義圧力にほかならず、ドル安要因とみるべきだろう。なお、これまでのところ、
米大統領就任年にリスクオフがドル円の下落を招いたケースはみられない。

 

米大統領就任年は 1-3 月にドル高、10 月にかけてドル安の傾向

米大統領就任年の為替変動を平均化すると、ドル実効為替、ドル円ともに 1-3 月に上昇後は伸び悩み、ドル実効為替は 7-10 月に下落傾向、ドル円は 4-10 月に下落傾向となる。

2017 年も、トランプ新政権の政策方針が明らかになる 1-2 月にドル高となるのだろうか。ただし、前年(米大統領選挙年)11-12 月には、過去の平均的な為替変動パターンを大きく上回るドル高が進んだことを忘れてはならない。

すでに市場は米国の財政政策や規制緩和への期待を高めてきただけに、さらに政策期待を高める要因が出てくることか、米景気指標が市場予想を上回ることが、ドル高の進行には必要だろう。そうならないとリスクオフと米金利低下に傾き、ドル実効為替は横ばいの一方で、ドル円が下落することも考えられる。

また、4 月と 10 月に発表される米半年次為替報告書で、米国は中国を為替操作国に指定するのか。

保護主義政策を具現化した場合、ドル安に傾きやすくなるだろう。

なお、12 干支別のドル円上昇率(1971 年以降 4 回の年平均、とり年は 3 回)上位は、へび+8.2%、たつ+5.9%、とり+4.2%、ひつじ+1.6%で、他の 8 つはマイナスだ。とり年のドル円は、81 年+8.2%、93 年▲10.5%、05 年+14.8%、ドル実効為替は、81 年+10.1%、93 年+1.2%、05 年+8.2%である。4 年周期だけでなく12年周期でも、17年はドル実効為替やドル円の上昇確率が高いことになる。

8 年前後の周期ではドル円下落の可能性

しかし、別の面からは、ドル円が下落する確率が高いとも言える。73 年以降のドル円相場には 8 年前後の周期があり、近年では 2011 年にボトムアウト(円高から円安に転換)後、15 年にピークアウト(円安から円高に転換)した。

次のドル円のボトムは 18-20 年に到来する可能性が高いことになる。17 年は、ドル円が一段と上昇して 15 年のピークを更新する可能性よりも、下落する可能性が比較的高いようにみられる。

特定の経験則にとらわれず、総合的にみる必要があるだろう。
世界の経済状況を鑑みて市場の期待が修正されながら、為替相場は変動していく。
2017 年がドル実効為替やドル円が上昇する年になるか、下落する年になるかは、米景気拡大とリスクオンがドル高にも関わらず持続することが可能か否か、米新政権が保護主義的でドル安志向となるか否か、にかかっているのではないか。

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